【脳卒中後の肩の“亜脱臼”改善に繋がるリハビリ】原因と対策をわかりやすく解説
- チャレンジド ジム

- 1月20日
- 読了時間: 5分
こんにちは!
チャレンジドジムです!
今回は脳卒中の後遺症の方に多い【亜脱臼】についてご紹介していきたいと思います!
目次
亜脱臼とは?
脳卒中後の麻痺の症状として、肩の「亜脱臼」が起こることがあります。
これは、肩の骨が完全に外れる「脱臼」までには至らない状態ですが、上腕骨が肩の関節窩(ワキの近くにある受け皿のような骨)からわずかに下へずれてしまうことを意味します。
脱臼、亜脱臼ともに、関節窩から上腕骨が外れる、ずれることで筋肉や神経、血管など様々な組織が牽引されてしまいます。
強い牽引力がかかることで各組織が引きちぎれたり断裂したりなどすることで痛みや重だるさなどを感じやすくなります。
これらの麻痺側の腕が重く感じたり、肩が引っ張られるような痛み、腕がだるくて挙げづらいなどの症状は服の着脱がしにくいなど、身体や頭を洗うのに手が上がらないなど、生活の質に大きな影響を与えます。
特に脳卒中発症後早期に多く見られ、適切なケアを行わないと慢性的な痛み(肩手症候群)や動きの制限につながります。
特に麻痺側では痛みがあり、動かしにくいということで安静にさせるために全く動かさなくなる期間が増えてしまうと、関節が拘縮してしまいます。
※拘縮:関節を動かす筋肉や腱、皮膚などが硬く縮んでしまい、関節の動く範囲が狭くなること。
痛みや拘縮を予防するためには、早期からの適切な管理が重要となります。
亜脱臼が起きる原因は?

肩関節は人体で最も大きく動く関節です。その反面、骨同士のかみ合わせは浅く、安定性が低いため、周囲の筋肉と靭帯がしっかり支えることで安定しているのが特徴です。
特に重要なのが以下の筋肉
棘上筋
棘下筋
肩甲下筋
小円筋
上腕二頭筋
特に棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋は回旋腱板(ローテターカフ)といって肩の関節の安定に大きく関わる重要な筋肉です。
筋肉や靭帯の他にも、関節包や皮膚など様々な組織が肩には存在し、それらの働きにより肩の安定に作用しています。
しかし脳卒中(脳梗塞/脳出血)後に亜脱臼が起きやすくなってしまう理由としては以下のような大まかな流れがあります。
麻痺によって筋肉が働かない
肩を支える力が弱くなる
腕の重さに耐えられなくなり、骨が下へずれる
腕の重さにより靭帯や筋肉が牽引され痛みが発生
さらに動かさなくなることで関節拘縮が起こる
特に、麻痺側の腕を何も支えずにブラブラさせてしまう状況が多いほど亜脱臼が進行します。
また感覚障害などの影響により、腕がどの位置にあるかがわからないことも亜脱臼を悪化させてしまう要因になります。
腕がどこにあるかわからないため、寝返りや起き上がりの際に腕が後ろに回ってしまっていることにも気づかず、腕が引っ張られるような姿勢になることも少なくありません。
まずは腕がどこにあるのか、どのような姿勢になっているのかを意識するのも亜脱臼のリハビリでは重要になってきます。
改善につなげるトレーニング方法
まずは亜脱臼がある状態のときにやってはいけないNG行動がいくつかあります。
これらのNG行動を避けるように注意しましょう。
やってはいけない NG行動
NG行動 | 理由 |
麻痺側の腕を無理に引っ張る | 関節のズレを悪化させ、靭帯や神経を痛める |
ぶら下げた状態で歩く | 重力でさらに亜脱臼が進む |
肩をギューッと強くマッサージ | 余計に緊張を引き起こし、痛みが悪化する |
強制的に腕を上に挙げる | 棘上筋が働かないと肩が前上方にズレる危険 |
肩甲骨を動かすエクササイズ
麻痺後、肩甲骨が固まると、肩の動きが非常に悪くなります。
まずは土台となる肩甲骨の可動域と安定性を取り戻すことが重要です。
基本の肩甲骨運動


イスに座る
肩甲骨を前へ・後ろへ・上へ・下へ動かす
ポイント
肩そのものではなく、背中から動かすイメージで動かすようにしましょう。
鏡などで動きを確認しながらも有効です。
棘上筋トレーニング
棘上筋は「腕を水平に開く最初の数度」を担当しており、肩が抜けないための最重要筋です。
タオルを使った軽い外転(外へ開く)運動
タオルを丸め、脇に軽く挟む
脇を軽く締めるように力を入れる
5秒キープ × 10回
前鋸筋・僧帽筋トレーニング
肩甲骨を前に押し出す力や支える力が戻ると、肩全体の安定性が上がります。
テーブルでの腕支持訓練
椅子に座る
腕を机に乗せる
両手(可能なら麻痺側多め)でテーブルに体重をかける
※どの運動も痛みがある場合や実施後痛みが出る場合などは実施を中止してください。
また運動時に肩の位置や動かし方などについては担当のリハビリスタッフと相談しながら行うようにしてください。
生活の中での工夫
トレーニングだけでなく、生活場面でも肩や腕の管理が重要になります。
腕の管理方法
管理方法として三角巾やスリング、アームサポーター等を活用し、移動時に腕がぶらぶらしたり、肩に負担がかからないようにすることも大切です。
それぞれ体に合ったサイズの物や肩の安定がサポートされる作りであるかを確認し、購入・装着するようにしましょう。
その他に寝ている時や椅子に座っている時に腕がどこにあるのかを気を付けるように習慣づけることも大切です。
生活動作での注意点
服を着るとき・脱ぐ時どちらも袖を通したり抜いたりしますが、この際に亜脱臼している側の腕を意図せず引っ張ってしまうような状態になることがあります。
腕を引っ張らないように肘を曲げた状態でゆっくりと着脱するようにしましょう。
今回ご紹介した管理方法やトレーニング方法は一般例となります。
お身体の状態や筋力・生活スタイルなどにより管理方法やトレーニング方法を変えていく必要があります。
どのような管理方法・トレーニング方法が良いかは担当のリハビリスタッフや専門家(医師や理学療法士・作業療法士など)と相談しながら決めるようにしましょう。
チャレンジドジムでは、肩の亜脱臼や痛みに配慮しながら、状態に合わせたリハビリ・トレーニングを行っています。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。


コメント